フリー

ビジネスモデルキャンバスについて学ぶと、「ロングテール」「フリーミアム」「釣り針モデル」と言ったビジネスモデルがカタログ的に数ページづつ紹介される。
ビジネスについては疎いなりに、「Aのことを理解するには周辺にあるBCDEFを学べ」という教えに従い、個々のテーマを掘り下げようと試みている。
今回読んだフリーに関しても、ビジネスモデルキャンバス本だと「フリーミアム」としてサラッと紹介される内容が、350ページに膨らんでいて奥が深い。


ビジネス本ではあるのだけど、意外と技術がもたらす変化から出発しつつ、半歩先の未来において成り立つ当たり前のビジネスを予言した内容。
私の経験では、技術主導型で何かを作ろうとすると、ゴールを見誤ったアイデアに着地する事が多い印象があるので、それでよいのか?という戸惑いが湧く。
私自身が、「ネットショッピングだと家で買物できて便利だな」「3Dプリンターがあれば試作が捗る」くらいの乏しい発想だからかもしれない。

でもやっぱり、クリスアンダーソンさんは技術革新が産業やビジネスにもたらす変化を発想して表現する力が凄いなと思う。具体的には...
オンライン売買では商品棚の大きさに縛られないので、80:20の法則を凌駕してニッチ商品の裾の広さでビジネスが成り立つ「ロングテール」
3Dプリンターで少数生産の製造コストが下がると、大企業による大量生産は終わり、コミニュティの参加者が少しづつ設計図を改良し、誰もが作り手になれる「メーカーズ」
そして本書は、知的活動によって産まれるビット界の商品は、オンラインによって生産コストなく複製して広がり、一握りのユーザーがお金を払えばビジネスが成り立つという「フリー」

こういった考えの源泉は何だろう?と思っていたら、フリーの中で繰り返し述べられる「希少なものを潤沢にする」という考えが、「ロングテール」「メーカーズ」「フリー」で一貫しているように思えた。
現実世界のルールを1つだけ曲げるSF的思考を持ち、技術によって希少なものが潤沢になった未来に、人々は何を望むのかを考える。その先に、どうやって儲けるのか考える。けっこうBTCを縦横無尽に行き来する。
もし「〇〇技術を使って何か出来ないか?」という苦しいお題が与えられることがあったら、技術一辺倒にならず、どんな希少なものを潤沢にするのか?から出発したい。

あまりビジネス面に明るくなった気はしないけれど、興味深かった。フリー。

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