家島オープンウォーターに参加するエクストリーム海水浴

海水浴界のエクストリームユーザーが集うオープンウォータースイミング大会に参加してきた。

屋外で泳ぐ大会は数あれど、往復や周回のコースが多い。そんな中、男鹿島から家島までの3.2kmをワンウェイで泳ぐコースは珍しく、ロマンがあり、遠方からの参加者もいる。

まずは早朝、寝坊気味に姫路港に到着し、高速船に乗り込んでゴール地点である家島に向かう。


7時前後の乗船から逆算すると始発電車くらいの時間帯なので眠い。

高速船に30分ほど揺られて家島に到着し、大会本部まで5分ほど歩くと、既に日が登って暑い。

のどかな漁村にスイマーが押し寄せる様子を撮影するカメラマンを撮影し返す。

仲間と協力して場所取りをする。毎年恒例になってきて、すでに職場仲間のスクール仲間くらいまではひとくくりに仲間。

体力温存したい選手に限らず、応援に来てくれた家族にとっても、生き抜くには日影が必要な天候だった。

ゴールゲートが撮影スポットであるかのように、こんな風に絶えず誰かが記念撮影している。

遠目にも目立つおかげで、参加者をゴールに導くことができる。それはさて置き、応援の家族たちは砂浜で海水浴や釣りを楽しむ。

本部の付近には更衣室は用意されているものの、その辺の物陰で着替えるワイルドな人も多い。

飲み物が準備されていて、運営による熱中症対策は万全だった。受付、ゴール、弁当で3度もペットボトルを配る徹底ぶり。

受付が済んだら、擦れ対策のワセリンや、日焼け対策の日焼け止めを塗って準備する。クラゲ対策できる防水の日焼け止めが重宝していた。

いろいろ塗っているうちに、腕にマジックで書いたゼッケンが落ちてくるので書き直す。

準備が整った選手から、小型船に乗り込んでスタート地点の男鹿島向かう。一部のガチ勢は、ウォーミングアップがてら3.2kmの往路も余分に泳ぐ。

レース本番のコースを反対方向に進みながら、風景とブイの位置を確認する。

コースロープの無いレースで寄り道せずゴールに近付くには、400mごとに設置されるブイが頼り。

スタート地点の男鹿島に到着すると、各々にウォーミングアップを始めている。

けっこう綺麗な方ではあるけれど、スイマーの視界はこんな感じ。

身体だけでなく、気持ちの面でも海に慣れたい。クラゲを怖がっていると、海藻が首元に付いただけで焦ってしまう。

準備が整うと、配られた袋に入れて荷物を預け、荷物は船で運んでもらう(以降の写真は公式FBから拝借)。

足に巻いたICタグで点呼をとり、ビーチに並び、ご当地アイドルに激励されながらスタート。砂浜に広がるとは言え、数百人が一斉スタートすると水中の格闘技になる。一般的にスタート直後の棄権が多いそうで、最初にペースを乱さない事が大切。

集団がばらけてくると、コース取りを意識しなければならない。近くで見ると大きなブイも、泳ぐ合間にヘッドアップで確認するには探しにくい。海の広さと、ワンウェイの難しさを感じる。
刻一刻と自分も潮に流されるし、ブイ自体も多少は流される。ガムシャラに手足を回すのでなく、進行方向や残り体力や進捗を確認しながら泳ぐ「実行統率力」を発揮しなければならない。

最後のブイを曲がると、先ほど記念撮影していたゴールゲートが遠くに見える。脳内にファンファーレがループ再生されるものの、最終の直線がけっこう長い。

3.2kmを完泳した後で砂浜に上陸すると千鳥足になる。

記録に関わらず、お互いに激励する雰囲気の中でゴールし、ICタグ回収とスポーツドリンク差し入れを受ける。

速くゴールすると並ばずシャワーを浴びられたり、弁当の選択肢が多かったり、少しお得。

少し時間が経つと、シャワーは完泳者で長蛇の列ができる。裸足で待っていると、火傷しそうなくらいアスファルトが熱い。

さっぱりしたところで、ゼッケン番号により認証を受けて、自分の荷物を受け取る。荷物から真っ先に取り出すのは、お弁当の引換券。

毎年、お弁当は楽しみ。特に、完泳後に振る舞われるシラス汁の旨さは、マラソン完走後の高級バナナに匹敵する。

少し落ち着いたところで、記録速報を見る。上位選手には日本選手権の出場権が付いたこともあってか、3.2kmを40分切る上位選手層が厚くなった気がする。

記録証を発行してもらうと、仲間うちで「記録はどうだった?」「手応えは?」と聞き合う。波が高かったことや、潮流に押し返されたことなど、コンディションの話で盛り上がる。個人的に記録が下がったのは、潮流ではなく自分の練習不足だろう。

自問自答するに、外部精度管理のようなやり方で、記録の良し悪しを判断したいんじゃないだろうか。オープンウォーターの場合、昨年の同大会と記録だけを比較したところで、天候も潮流も気温も変わってしまい、ある意味で参考にならない。だから、周囲の人に手応えを聞く。
プールでの競泳大会と比べたもう1つの違いとして、同時にスタートして一緒に泳いだということもある。同じ時間、同じ場所、同じゴールに向かって泳ぐなんてことは、オープンウォーターくらいのものかもしれない。
一般のリア充海水浴客が「同じ夏は二度と来ない」と言って想い出づくりに海に出向くのと同じく、エクストリームなオープンウォーター選手も二度とこない夏の天候や潮の流れを尊く感じ、全力を尽くして泳ぎたいのだ。

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