2016 UX KANSAI #4 ビジネスモデルキャンバス
UXデザインから見たビジネスの位置づけ 今回のテーマは少し毛色が違った「ビジネスモデル」だった。回を重ねるごとに参加者もHCD脳に染まってきて「まずはユーザーの利用状況を・・・」から始める癖も付いてきたけれど、どんなユーザーを振り向かせるべきかHCDが教えてくれる訳でない。前の段階として、会社の存在意義や理念から出発して、どのように儲けるかというビジネスの話とともに、ようやく対象ユーザーに狙いを付ける話ができる。 HCDやUXDを学び、ユーザーにとって長期利用品質に優れたサービスを思い付いても、儲けられねば会社が潰れてサービスが維持できず長期もクソも無い。この意味でユーザーとビジネスは切り離せないのに、企業の末端で働いている我々は、ビジネスは天が与えてくれるような錯覚を持ってしまいがちだったと反省。 しまなみ海道のビジネスモデルを描く そんなビジネスとユーザーの両方を上手く描けるツールとして、何年か前に登場した「ビジネスモデルキャンバス」が人気。大まかに右からユーザー視点、左からビジネス視点を盛り込んだ図になっている。9マスを埋めると、誰を相手に何を与えて、そのために誰と手を組み、どんなお金の流れで儲けられるのか、スッキリ表現できる優れたツール。 今回のワークショップは、しまなみ海道に実在する企業によるご厚意のテーマ持ち込み(?)で、新規事業のビジネスモデル提案するというケーススタディーができた。 自分達で0から考える場合や、仮想の企業の場合だと、設定にない合間のところを机上の都合主義ででっち上げてしまえるところ、当事者が来てインタビューすれば答えが得られてしまうところに、誤魔化しがきかない難しさもあった。 ケーススタディーを提供してくださったばかりでなく、しまなみ海道からお土産を持ってきてくださった。 参加者の間でも大盛況で、舌鼓を打ちながら「主な活動」や「主なリソース」を実感できた。 ビジネスモデルを描く難しさ 私自身、横に長い例の書籍は読んだし、別のワークショップに参加したこともあるけれど、やっぱり革新的なビジネスモデルを生み出すのは難しい。キャンバスの描き方はあくまでアイデアの伝え方だと捉えていて、そもそもアイデアを生み出すところの苦労が大きかった。 我々のチームは...