2016 UX KANSAI #5 ペルソナ・シナリオ法

「人間中心設計を勉強してます!」と言うと、エンジニア界隈でも「あぁ、ペルソナとか作るやつね」と話が通るようになってきた。・・・何か違うような気もしながら、そのくらい広く知られたド真ん中の手法であることに間違いは無さそうである。 例に漏れず基本的なことは奥が深い。所定のフォーマットを埋めてそれっぽいペルソナをでっち上げるのには慣れつつあるけど、良いペルソナを作るのは本当に難しい。 そもそも、どんなペルソナだと「良い」と言えるのか?『前工程の調査結果を整然と表現でき、後工程の設計や評価がスムーズに進められる』なんてどうか。そう書いてしまうと、ペルソナ手法に限らず、他の手法にだって言えてしまう気がしてくる。 ちょうど講義の中でも、ペルソナ手法を独り歩きさせるのでなく、一連のHCDサイクルの中で捉えるべしという話を伺った。前後の繋がりを意識するのは、連続セミナーだからこその恩恵じゃないか。 誤りを恐れず、各手法の繋がりを整理すべく描き下してみる。 さらに、なぜ一連のHCDサイクルを上手く回したいのか?私の考えは、ユーザーにとってお金を払う価値あるものを提供し、お金を儲けたいから。「金儲けは汚い」なんてとんでもない!金儲けできないとユーザーの長期的な満足なんて持続できない! 候補からペルソナを決める意思決定においても、「自分がどのように儲けたいか」というビジネス観点が必要になり、UXデザインをやる上でビジネス観点は切り離せない。隣チームの社長さんから「企業の方はお金儲けの感覚が無い」という喝を入れられ、けっこう痛いところを突かれた戒めとして記しておく。 キレが足りなかった ようやく本題で、今回のUX KANSAIではペルソナ手法について改めて学んできた。4人チーム内でお互いに半構造化インタビューし、気付きを1人10枚程度ずつ付箋に書き、上位下位関係分析して本質的価値を探り、掘り当てた要求を持つペルソナを作る。かなり慌ただしいワークショップだった。 上位下位関係分析は別のセミナーや 独学で予習 したことがあり、少しは上手くできるかなと思ったら、やっぱり難しかった。進めるのに苦戦したし、体裁は整えたものの成果として「キレが無い」ものだった。すなわち、曖昧でありきたりなユーザー要求を導き、ビジネス的にも苦戦しそうな成...