エスノグラフィック散策 in 水道筋商店街
阪急王子公園から東方向に位置する「水道筋商店街」を改めて探索する。500m弱のアーケード「エルナード水道筋」を中心に、大小10個の程度の商店街や市場から構成される庶民の台所。
この商店街には昔から喫茶店が多く、隣同士で喫茶店なんてこともある。スタバが「サードプレイス」を提供するのに対して、商店街の喫茶店は何を提供してきたんだろう?と不思議に思う。
キャリアカートが停車していることから、買い物に疲れて座る場所を求めているようにも思える。確かに年配のお客様が多く、買い物袋をたくさん持った方が見られる。
休むと言えば休憩所があった。中を覗きながら自転車で通りがかり、知人がいたら飴玉をシェアしあう交流の現場が見られた。
アーケードを歩いていると、買物袋とテイクアウトコーヒーを持つ人にすれ違う。知人とばったり会うと、「あのカフェのやつ!?」と話になる。そうか。「交流の場」と言うと箱モノをイメージするけど、商店街全体とも捉えられる。
サードプレイスを求める人はそこまで味を追求しない印象がある一方で、ねーちゃんは「本格的なのに気軽に買えるのがいい」と話していた。
神戸でコーヒーと言えばUCCが有名だが、王子公園には萩原珈琲の本社もある。意外と神戸人には珈琲の味を重んじる一面もあるのかも。
一休みして小腹を満して交流する場としては、喫茶店に限らずたこ焼き屋さんにまで枠を広げられるようにも思えてきた。
散策していると良い時間になってきたので、お弁当でも買うことにする。少しアーケードの外れにある健康的なおそうざい屋さんは、ファミリーからおばあちゃんまで幅広い年代に人気。
こちらは、唐揚げとか中心のお弁当屋さんで、育ちざかり世代や、身体を動かせるお仕事の人たちに人気。
お弁当だけじゃ足りないなら、お惣菜を買い足せる。水野家のコロッケは有名になったけれど、灘センター商店街が総本山。
メインアーケードから2本ほど入る「灘中央市場」は、だいぶん昭和感が色濃く出てくる。
市場の中に突如現れる休憩所と、「戦争と平和」なるアトラクションは20円。
さらに畑原市場まで進むと、また違った昭和感がある。地元の人が買って調理すること前提の食材が多い。買い食いできるような食べ歩きイベントをやっている日もある。
そういえば、商店街はイベントが盛ん。古き良き昭和感をありのまま残すにも、シャッター街にならないよう人を集まる仕掛けを起こす必要があり、仕掛けるバランス感が良くて好き。
イベント開始の17時に向けて、スーツ屋さんの前なんかにも屋台を準備し始めていた。
話を喫茶店に戻す。甘味処で有名な「あかちゃ家」は並んではいる人もいて、おそらくインスタに投稿するような客層も来る。
一部の人気喫茶店を除けば、行列ができるような喫茶店少ないけれど名店は多い。「あんご」の水出しコーヒーは、地元のコーヒー好きがよく推してる。
我々も突入して水出しコーヒーを堪能する。濃いけど後味すっきり。
マダムの団体さんが来られた。連れてきたであろうマダムが「ここは私が」と言って、コーヒーチケットの束を出していた。それぞれのマダムに「ホームグラウンド」な喫茶店があるのかもしれない。
丁寧にサイフォンで淹れてくれる「ドニエ」さんも双璧を成す喫茶店。「喫」茶店なのに禁煙に踏み切ったのが意外。子供を連れて行ってみよう。
勉強会など趣向を凝らしている店もあり、一口に喫茶店で括ってもけっこうな多様性がある。だから個々に生き残れているのかも。
調べようとしてさらに興味が広がったので、継続して散策してゆきたい。5~6前のデジカメだと最近の携帯にも負けてる気がするので、もう少し良いカメラが欲しくなってくるな。
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