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CODE for JAPAN SUMMIT 2017

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おらが街に CODE for JAPAN SUMMIT 2017 が来るということで、ほとんどCODE for...活動に参加したことも無いくせ、せっかく近所なので通りすがりのソフトウェア技術者として立ち寄ってきた。 すべてのセッションがリアルタイムにグラレコで可視化されるのは圧巻だった。CODE for...と言うくらいだからコーディングが得意なエンジニア集団かと思いきや、非エンジニアの役割も大きく多様性を感じる。 全体的に「四の五の言わず、出来る事をやろう」という雰囲気が伝わってきた。以下、2日目の短い間だけの滞在で、印象に残ったセッションやイベントについてつまみ食いで書き残す。 行政における破壊的イノベーションへの壁と期待 間違いなく、このセッションが一番ぶっ飛んでいて面白かった。最初のネタ降りに対して「それって破壊的イノベーションなのか?」という漠然とした疑問が湧いたところ、すかさずパネリストが司会に「お前は分かっていない!」と斬りかかるのが最高だった。 パネリストでは無かった角さん(元公務員で現フィラメント代表)も、マイクを向けられて破壊的イノベーションはかくあるべし!というお話をされていた。司会の長井さんは同世代でも期待の星なんだけど、いかんせん周りが強敵過ぎる! なぜ破壊的イノベーションが必要なのか?については、書籍「イノベーションのジレンマ」のなかで言い尽くされている。成功にあぐらをかいていると緩やかに破滅へ向かうので、価値観を変えるような新しい世界に挑戦しないといけない。 この手の話で論点になるのは、もう差し迫っているのか?まだ時期尚早なのか?というタイミングの見極めだろう。パネルトークの中で紹介された人口曲線グラフを指して「今ジェットコースターの頂上にいて後は落ちるだけ」という話は、現実的に差し迫って変革が必要なことを突き付けられたように感じた。 「行政における」が付いたパネルセッションでは、破壊的イノベーションと言っても競合との競争という文脈や、既存ユーザーの要望を聞き過ぎて破滅するカラクリについては出てこない。そもそもユーザー(市民)を向いていないところから脱却するために破壊が必要になってしまうレベルのようだった。 でも、ちゃんとユーザー(市民)を向いたサービスをデザインしなきゃ!という強

実物大ペーパーモデル

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人間中心設計に関する終日のイベント「 HCD-Net関西フォーラム 2017 」のうち、午前のワークショップ「実物大ペーパーモデル」講座に参加してきた奮闘記。午後も目白押しだったけど書いていたら長くなったので分けた。 いきなりカッターの使い方 これまで、製品・サービスが提供するユーザー体験に思いを馳せてきた。ユーザー体験をお届けするには実体のある「モノ」に落とし込まないといけない。 だけどモノづくりはやっかいで、工数・時間をつぎ込まないと体験できるレベルまで仕上がらないくせに、作ってしまうと後戻りができない。 そこで、実体として触れる「プロトタイプ」をつくり、最終製品を前倒しで体験させて評価を得る「プロトタイピング」に取り組む。 混同しやすいけれど、今日の講座は「プロトタイピング」ではなく、「プロトタイプ」作成だった。潔いくらい技能の習得に振り切っていて、いきなりカッターの持ち方から始まる。持ち物が「A2のカッターマット」というのもブッ飛んでいて素敵。 「ズバァァン!と切ればいいんです」というスパルタ指導を受け、いざモデルボードを試し切りするも、斜め45度に切るのは素人には難しくて接合面が直角にならない。 厚みを考慮して刃の角度に注意しなければならないのは、先月の DIYワークショップ の丸ノコに通じるぁと思い出す。人生に迷うこともある私だけど、迷いがあると綺麗に切れない。 実物大は関係者を雄弁にさせる ワークショップのお題は「ロボット手術台」のアーム。なるほど、こんなに大きいと3Dプリンターよりもモデルボードで作った方が安く早く上手いのか。 それにしても、私にとっては関係者が身近にいて馴染みあるお題だったけど、参加者はこのマニアックさに付いて来れるのか!?? さて置き、講座の中で唯一「プロトタイピング」について言及していた「実物大は関係者を雄弁にさせる」という教えについては、ぜひ書き留めておきたい。 画面上の絵を見せられながらインタビューを受けた人は、頭の中で現実世界に出てきた状況を想像するという認知的な負荷が強いられる。一方で、実物大であれば自分がプロトタイプの前に立つだけで、「あと2cm高い方がよい」という細かい意見まで話すことができる。 デザイナーがよく絵を描くの

DIYワークショップ@オオミシマスペース

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これまで私はシステムアーキテクトとして、ユーザーニーズから出発して組込みシステムのアーキテクチャ(論理的構造)へと落とし込むことを生業としてきた。 ソフトウェア開発について語る際に、メタファーとして建築と対比させ、違いについて言及することは多い。それなのに、実のところ建築のことはそれほど深く知らない。 もっとプリミティブな出発点からアーキテクトのことを学ぼうと、この度、 オオミシマスペースのクラウドファウンディング から8月12日~13日開催の「DIYワークショップ」に申し込んだ。実はパトロンになるのも初体験だった。 オオミシマスペースに集まる人々 ワークショップの舞台である オオミシマスペース は、しまなみ海道の真ん中「大三島」に位置し、一棟貸切できる宿として2017年秋頃にオープン予定。 オオミシマスペースに対する期待は大きい。利用者に対しては、田舎生活を身近に感じながら合宿・ワークショップ・テレワークできる場所になる。地域に対しては、人を呼び込んで活性化する起爆剤となる。UXデザイン界隈の我々にとっては、ユーザー体験から出発したサービスを実装に落とし込む実践の場となる。 そんなオオミシマスペースは、先述のクラウドファウンディング等で資金調達しつつ、急ピッチで古民家のリノベーションを進めている。 リノベーションで下手に手を入れると範囲が大きくなって資金を食い潰す難しさがあるところ、建築界でUXデザインを実践されている 高橋さん が強い味方となって、 前回の視察 では「そのまま活かそう」「業者に依頼しよう」「DIYしよう」といったアドバイスを下していた。 「DIYでやる」意思決定が下されたフローリング貼りが、今回のワークショップへと繋がった。大工経験を持ちながら工務店社長でおられる高橋さんが講師を買って出られたおかげで、本物の大工さんから「床貼り」を学ぶ機会が得られた。 よくよく考えると、工務店にとってはDIYなんか普及すると仕事が奪われてしまう。でも、時代の変化を受け入れて次の一手を指さねばならないことが、高橋さん自身のblogで「 工務店の無価値化 」として述べられている。フリーミアビジネスを模索していたのか!?と気付く。 DIYワークショップのためオオミシマスペースに集まる