マーケティングとUXデザインを対比してみる

使わなくなった「マーケティング戦略論」の教科書を頂戴して読了。書きっぷりが難しく読了に2ヶ月ほどかかった。カバンからはみ出して、意識が高いアピールっぽくなった日もあった。

きっかけは、「UXデザインとマーケティングで何が違うの?」と聞かれて上手く説明できず、違いが説明できないということは、どちらの理解もあやふやで足場が揺らぐような不安があった。

UXデザイン(というかサービスデザイン)の課題に取り組むとき、サービスとして持続するにはマネタイズの話は避けられず、ビジネスに接近する。同じくマーケティング側から攻めても、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その価値が得られる」狙いを果たすために、ユーザーを向くことは避けられない。ビジネスとユーザーは両輪であるが故に、目指すところも近付いてくるように思える。

書籍の大半は「操作型マーケティング」すなわち、ユーザーに選んでもらえるよう仕向ける内容に割かれている。素人ながら何となく知っている3Cや4Pのようなフレームワークはこちら操作型マーケティングのお話となる。
生身の人間に向けてサービスを構想するUXデザインと比べると、操作型マーケティングはユーザーの属性で無機質に分けた集団として扱いそうな先入観があった。でも、実際は思ったより生身の人間を向いているという印象を持った。


UXデザインに通じるマーケティングのお話

UXデザインで言うところの「ユーザー」を、マーケティングの教科書では「消費者」と呼ぶ。売って終わりの購買とは違い、製品がどのように消費されるかは消費者の生き方を反映する。そのため、ものづくりにおいては消費者の生活パターンを知らねばならない(p137)。←マーケティングも生身の人間について理解を深めようとするのは意外だった。

ここで言う「消費」は物理的なモノの消費だけでなく、文化や周囲環境の制約を伴う意味的消費を消費者と一体化させるものだと述べている(p5)。←言い回しは難しいけれど、UXデザインで重んじられる「文脈」や「利用状況」に通じる。

操作型マーケティングにおけるコミニュケーションの中で、買い手が思い通りの行動をとってくれないとき、売り手はPDCAを回す試行錯誤によって消費への適合を試みる(p63)。消費の多様化への対処としても、「ともかく提案して消費者の反応をみて再提案するサイクル」をとる(p246)。
↑マーケティングにも、HCD的なサイクルを回す概念があると知る。ただ、HCDの方が前倒しで効率よく失敗してリリースまでに改善する、いわゆるデザイン的なやり方に重点を置いていそう。


根元にある考え方の違い

少し抽象的だけど、大きな違いとしてUXデザインはラダーアップで考えるのに対して、マーケティングはカテゴリー分けで考える点が違っている。

マーケテイングの教科書には、縦軸&横軸を引いた4象限の図がたくさん出てくる。基本所作として、軸を作ってカテゴリーに当てはめる考え方をする。
一方でUXデザインは、KJ法を源流する基本所作として「付箋の声に耳を傾け」て上位概念を導くことを基本所作とする。

その結果として、縦軸&横軸を持つマーケティングは定量的な情報が得られるのに対して、UXデザインは人間の雑味を残した定量的な情報となる。

どっちが進んでいると言うよりは、時代に生き残るために進化してゆくと同じところに行き着いたというイメージを持っている。自分の主軸はUXデザインだと言えるよう頑張りたいけれど、定性・定量の両方が大事なように、両輪で進めなければいけない予感もする。

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